Kawai M45A アコースティックギター
紹介
概要
1960年代カワイのいわゆる鉄線ギターです。クラシックギターサイズのoooシェイプで取り回しがよく、そばに置いて置きたい一本です。この年代のギターは持ち上げると拍子抜けするくらい軽いものがあったりするんですが、材質のせいか程よい重量感があるのもお気に入りポイントです。
ボディ
明るい色合いのメイプル合板のサイド・バックが特徴的です。私が知る限りMシリーズでメイプルを使用しているのはM45だけで、ほか(M35、M40)は材質不明でブラウン系の塗装がされていました。
ネック
ヤマハのダイナミックギターほど太くないのでコードも弾けます。かと言って近年のアコギほどモダンなネックシェイプではありません。ナット幅45ミリ。ヘッドには筆記体のカワイロゴとJISマークの刻印(9328とは?)があります。
ブリッジ
鉄線ギターのブリッジはスチール弦の強いテンションで剥がれないようにボルト・ナットで補強されています。
入手経緯など
写真のM45は2本目に手に入れたものです。
1本目は広島駅前の有名な楽器店マルヤさんの店先にぶら下がっていたのを購入。気に入って弾いていましたが東京に戻ってきて置き場に困り手放してしまいました。手放して1年くらいしてから同じようなギターがほしくなって探しましたが、12フレットジョイントのスロテッドヘッドでメイプル仕様ってのが意外とありません。さらに2年くらい後にメルカリでジャンク品をみつけて2本目を購入しました。
修理
ネック
ネックを側面から見てはっきり分かるくらいの順反り&ネックヒール剥がれ。弦高は5%12フレット6弦で5ミリくらいありました。
簡易ネックアイロンでの反り矯正を試みました。
ホームセンター でアルミ角パイプ 40×30×1,000Lを購入→半分の500Lに切ってもらったものをネックにクランプ止めし、ハロゲンランプで加熱。
ランプはAmazonで買った500W、1,300円くらいのもの。
ハロゲンランプは近づけ過ぎたり当て所がわるいと煙を上げるので要注意でした。安全面、加熱の均一性を考えるとメーカー品のネックアイロン用具か、角パイプの中に仕込めるサーモスタット付のパネルヒーターが確実。
ネックヒール割れ
ネックが起きる方向の力でヒール部に割れが出ていました。
ヒールの底に穴をあけ木ネジで締め込み割れをふさぐ。あけた穴を同径の丸棒とタイトボンド+木粉パテで埋め、トップコートを塗って仕上げました。
ボディ割れ
1弦側ショルダーが何かに打ち付けたような割れ方をしていました。
内側から圧迫して凹みを直し、外側はタイトボンドを流し込み、固化後にコンパウンドで成形。
調整
クラシック弦を張って、反りを見ながらネックアイロンを数回かけてなかなか良い状態に持ってこられました。
サドルを削り12フレット6弦で約2.5ミリに調整しました。サドルのエッジが立っていないです。